「真っ直ぐ飛ぶドライバーってありますか?」
ゴルフショップで働いていると、かなりよく聞かれる質問です。
そのたびに私は、
「そんなクラブがあれば私も欲しいです(笑)」
と答えることがあります。
残念ながら、誰が打っても真っ直ぐ飛ぶクラブはありません。
ただし、
「じゃあクラブは何を使っても同じなの?」
というわけでもありません。
クラブによって、ミスの出方は変わります。
この記事では、現役ゴルフショップ店長として普段フィッティングをしている私が、
✔ 真っ直ぐ飛ぶクラブは本当にあるのか
✔ スライスは全部直す必要があるのか
✔ 自分に合うドライバーはどう選ぶのか
✔ 私が考える「本当に良いクラブ」とは何か
実際の接客事例を交えながらお話しします。
こんな悩みありませんか?
✔ 真っ直ぐ飛ぶドライバーが欲しい
✔ スライスが止まらない
✔ 右にも左にも曲がってドライバーが怖い
✔ 「曲がらないドライバー」を買えば解決すると思っている
一つでも当てはまるなら、
「真っ直ぐ飛ぶクラブ」を探す前に、ぜひ知ってほしいことがあります。
店長から先に結論|真っ直ぐ飛ぶクラブはありません
最初に結論です。
誰が打っても真っ直ぐ飛ぶクラブはありません。
どれだけ「曲がりに強い」と言われるドライバーでも、打ち方や打点が変わればボールは曲がります。
では、どんなクラブが良いのか。
私が考える良いクラブとは、
「想定通りのミスしかしないクラブ」
です。
もっと簡単に言えば、
自分がマネジメントできる球筋を打ちやすいクラブ。
私はこれがコースではかなり重要だと考えています。
大切なのは「曲がったか」ではなく「どこに残ったか」
ゴルフでは、真っ直ぐ飛んだから100点というわけではありません。
例えば左へ打ち出して、右へ曲がるフェードを打ったとします。
ボールは曲がっています。
でも最終的にフェアウェイに残って、2打目でグリーンを狙える。
私はこれなら十分だと思っています。
逆に真っ直ぐを狙って、
右へ大きなスライス。
次は左へチーピン。
これではコースで狙いを決められません。
私が大切にしているのは、
「ボールが曲がったかではなく、曲がった結果どこにボールが残ったか」
です。
一番怖いのは「逆球」
例えば、普段スライスする人がいたとします。
何も考えずに打つと右へ曲がる。
それなら、
「今日は右へ曲がる」
という前提でコースをマネジメントできます。
怖いのは、突然左へチーピンが出ることです。
一度左へ行くと、次は左が怖くなります。
そして左を嫌がった結果、今度は右へ大きなスライス。
右も怖い。
左も怖い。
こうなると振れなくなります。
だから私はフィッティングで、
「どうすれば真っ直ぐ飛ぶか?」
だけではなく、
「この人が一番出したくないミスは何か?」
を考えています。
実際に「真っ直ぐ飛んだG440 K」を勧めなかった話
ここからは実際に店頭であった話です。
50代のお客様が来店されました。
使用していたドライバーはTaylorMade M6。
スライスが止まらず、右へすっぽ抜けるようなミスが出ていました。
お客様から、
「Qi35の試打できますか?」
と言われたので、まず話を聞きました。
「どんな球を打ちたいですか?」
「真っ直ぐ打ちたい」
さらに、
「なぜTaylorMadeなんですか?」
と聞くと、
「TaylorMadeがかっこいいから」
とのこと。
私はこれも大切だと思っています。
好きなメーカー。
好きなデザイン。
好きなクラブを使う。
これもゴルフの楽しさです。
ただ、結果については正直に伝えます。
真っ直ぐ打つだけならG440 Kだった
このお客様のスライスと右へのすっぽ抜けを見て、私はPING G440 Kを提案しました。
今回のお客様には、G440 Kの方がつかまりを作りやすいと判断したからです。
そして実際に打ってもらうと、
かなり真っ直ぐ飛びました。
「真っ直ぐ打つ」
という結果だけを求めるなら、G440 Kを選ぶのが簡単です。
でも、お客様はそれでも、
「TaylorMadeがいい」
と言われました。
だったら私は、無理にPINGを買ってもらおうとは思いません。
別の方法を考えます。
スライスを消すのではなく「使う」
私はお客様に、
「だったら、真っ直ぐだけを狙わなくてもいいですよ」
という話をしました。
このお客様は、もともとスライスが持ち球です。
ならば、そのスライスを全部消す必要はありません。
左へ打ち出す。
そこから右へ曲げる。
最終的にフェアウェイへ戻ってくる。
ボール自体は曲がっています。
でも、
フェアウェイに残れば、真っ直ぐ打ったのと結果は大きく変わりません。
そこでTaylorMadeのスリーブ調整も利用しました。
ロフトを増やすHIGHER側へ調整し、フェースアングルをクローズ方向へ変化させます。
左への出球を作りやすくして、そこから持ち球のフェードを使う。
結果として、
左へ打ち出して右へ戻ってくる、つかまったフェード
を作ることができました。
私は、
クラブで球筋を変えることは逃げではなく戦略
だと考えています。
全部をスイングだけで直す必要はありません。
クラブで変えられることなら、クラブを使っていいんです。
ただし、スライスを全部クラブで直せるわけではない
ここは誤解してほしくありません。
「スライスは直さなくていい」
という話ではありません。
私はTrackManのクラブパスなども確認します。
現場での一つの目安として、アウトサイドインが10°程度までなら、クラブで補いながら持ち球として使えるケースもあります。
一方で、
アウトサイドインが12°程度。
さらにフェースも5°ほど開いている。
このような場合は、曲がり幅もかなり大きくなります。
そこまでいけば、クラブだけですべて解決しようとは考えません。
スイング側を改善した方がいい場合もあります。
※この数字はすべてのゴルファーに当てはまる絶対的な基準ではなく、私が店頭で判断する際の一つの目安です。
大切なのは、
クラブで補える範囲なのか。
スイングを直した方がいい範囲なのか。
ここを分けて考えることです。
「一番嫌なミス」が出ないクラブを選ぶ
試打をすると、一番飛んだボールを見たくなります。
でも私は、ナイスショットよりミスショットを見ています。
ゴルフは最高の1球を競うスポーツではありません。
だから、
「どれが一番飛んだか?」
だけではなく、
「どのクラブが一番嫌なミスを減らしてくれたか?」
も見てほしいです。
右OBが一番嫌なのか。
左へのチーピンが嫌なのか。
大きな飛距離ロスが嫌なのか。
そこから逆算すると、クラブ選びは変わります。
店長が考える「本当に良いクラブ」とは
私が考える良いクラブとは、
「想定通りのミスしかしないクラブ」です。
フェードでもいい。
ドローでもいい。
多少曲がってもいい。
重要なのは、
自分がマネジメントできる球筋を繰り返し打てること。
例えば、
「このクラブなら右へは曲がる。でも突然左には行きにくい」
と分かっている。
それなら、その球筋を前提にコースを攻められます。
真っ直ぐを打つことより、
自分の持ち球を理解して、その曲がり幅とミス方向を管理する。
私はその方がスコアにつながると考えています。
店長の結論
真っ直ぐ飛ぶクラブを探している人に、
私は、
「このドライバーなら絶対に曲がりません」
とは言いません。
そんなクラブはありません。
それより考えてほしいのは、
「自分が一番出したくないミスは何なのか?」
ということです。
右へのミスが嫌なら、その右への曲がり幅を減らす。
フェードが持ち球なら、そのフェードを利用する。
左への逆球が嫌なら、左へ行きにくいクラブを選ぶ。
私なら、
最高の1球が真っ直ぐ飛ぶクラブではなく、10球打った時に一番嫌なミスが出ないクラブを選びます。
それが、その人にとっての「本当に良いクラブ」だと思っています。
店長のひとこと
クラブ選びの目的は、練習場で真っ直ぐな球を打つことではありません。
コースで安心して振って、
次の一打を打てる場所にボールを残すことです。
真っ直ぐじゃなくてもいい。
自分の球筋を理解して、その球筋でゴルフを組み立てられる。
そんなクラブに出会えれば、ティーショットはもっと楽になると思います。
そして、クラブで変えられることはクラブに頼っていい。
それは逃げではありません。
私は立派な戦略だと思っています。
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